今回のリアルミーは、現在東京在住、東京で仕事している若い中国の女性Liz Cenさんと対談しました。Lizさんは、日本での生活、東京に来たきっかけ、自分が求める理想の将来、また、日本における男女平等への思いや、中国の男女平等と比べてどう感じているかをシェアしてくださいました。

リアルミー、「本当の私」とは誰ですか?

Liz Cenです。私は芸術が大好きで、真実の愛を信じていて、心が広く、他人に対してとても敏感で、論理的で、ロマンチックでありながらも現実的でもあり、自分の心に従って行動するタイプの人間で、そして人生を楽しんでいます。

現在は東京にある就職関連の会社で働いているそうですね。どんなお仕事をされているのか、そして現在の仕事に就いた経緯を教えて下さい。

正直に言うと、今の仕事は、自分がやりたい仕事ではありません。ですが、中国にいた時に、日本の就労ビザを持っていない状態で、東京での仕事を見つけるのは簡単ではありませんでした。そんな時に、現在私が働いている会社からオファーをもらい、就労ビザも出してくれると言ったので、熟考の末、オファーを受け入れることにしました。現在働いている会社はベンチャー企業なので、あまり有名ではありません。ですが、重要なことは、会社のメンバーは私を尊重してくれて、プロジェクトでも、私の考えを採用してくれるということです。私の上司は、私が一番興味のあることに関して決断を下すのを助けるために、様々な分野で挑戦することを応援してくれます。さらに、以前は出来なかった、自分のしたいことを楽しむプライベートの時間もたくさんあります。生け花のお稽古や、ヨガ、小説の執筆(まだ話を考えている途中ですが)、バハーイーの活動、旅行などをしています。なので、大体は、今の生活に満足しています。ですが、今の仕事は、以前の仕事と比べると、それほど挑戦的ではありません。今の道を選んだのは、人生の未知のことに関する興味からです。


以前、中国の電通でシニア営業担当をされていたそうですね。お仕事はどうでしたか?その仕事をしている中で、特に印象に残っている経験や貴重な教訓はありますか?

電通での仕事は、今までで一番おもしろく、貴重な経験でした。電通では既成概念にとらわれず、出来るだけたくさんのアイディアを生み出すことが推進されていました。自分の意見を言い、チームメンバーと率直に議論し、新しいことに目を見張るように推進されていました。周りの人から学ぶことも奨励されていました。周りから取り残されないように、常に学び続け、自分の考えを常に新しい状態にしなければならなかった、とも言えるでしょう。電通では、自分を再発見すること、自分自身をより知る事ができました。しかし、今述べた良い点があった一方で、私生活の大半の時間とエネルギーを、仕事のために犠牲にしなければいけない面がありました。

若い女性として、日本で生活し、働くことはどんな感じでしょうか?日本で生活し、勉強をした経験は、ご自身と仕事・生活に対する見方をどのように形作っていますか?

若い女性が生活するには、東京はとても素晴らしい都市だと思います。便利で綺麗で快適でオシャレですし、至る所に自然を見つけることができます。また、国際的な都市で、活気があり、多文化で、自分を成長させる機会や資源がたくさんあります。異なる背景を持ったたくさんの人と出会うことができますし、自分が望めば、たくさんの事に自分自身で挑戦することができます。そういった意味では、私の仕事・生活に対する見方に合っていて、自分自身を形作るのに役立っています。

将来の目標や夢はなんですか?それらの目標や夢に初めて気付いたのは、いつ、またどのようにしてですか?また、それらを達成するために何をしていますか?

私の理想の生活と夢は次の通りです。

①創造的で芸術にたくさん囲まれた人生を送ること。芸術家にならなければいけないと言っている訳ではありません。ただ、自分や他人の人生を、より美しく、優雅にする創造力を持っていたいのです。そして、将来、その創造力を長期的なキャリアにするバランスの取れた方法を見つけ出せたらいいなと思っています。オフィスにずっと閉じこもって働くのが好きではないので。

②人生に悩み、迷い、捕われてしまっている人々を助け、本当の自分自身を見つけて、より充実した人生を送るお手伝いをすることです。

③幸せで、温かく、愛情に溢れ、崇高な家庭を持ち、とても誠実で他人に敬意を示すことのできる夫と、愛くるしい子どもを持つこと

これら3つを意識し始めたのは、23歳の時に、私のSpiritual Parentsであるイラン人のバハーイー教徒の夫婦に出会ってからです。その夫婦はとても親切かつ謙虚で、教養があり、崇高かつ芸術的で、2人の素晴らしい息子さんと、とても平和な生活を送っています。今お話した3つの夢を実現するために、私はもっとたくさんのことを見て、経験して、学んで、考えなければいけません。

①の夢を叶えるために、芸術的な趣味に常に広い心を持つように心掛けています。今は、東京の師範から生け花を習っています。東京に来る前、半年間インテリアデザインを勉強していたので、常に芸術関係の分野には注目していました。

②の夢を叶えるために、まず常に人に興味を持つようにしています。また、バハーイーのコミュニティ活動に出来るだけたくさん参加するようにしています。

③の夢を叶えるために、恋愛に対してはいつもポジティブかつ真剣でいるように心掛けています。

今現在、不安に感じている将来の目標、または頭のなかでもやもやしている目標はありますか?そのような不確かな感情にどのように対応していますか?

インテリアデザインの勉強を続けるか、そしてそれを現在のキャリア経験とどう結びつけるか悩んでいます。もし、自分の頭が混乱しているように感じたら、少し様子を見るようにしています。つまり、急ぎすぎずに、注意を払い続け、自分の心に従うようにしています。

華南師範大学で日本語を専攻されたそうですね。どうして日本語専攻を選んだのですか?また、そこでの経験はどうでしたか?

異なる言語と文化が大好きだからです。華南師範大学には3つ(英語、日本語、ロシア語)の言語コースしかありませんでした。英語以外の言語を学びたかったのと、日本語や日本の文化がロシア語(ロシア文化)よりも魅力的だったので、日本語専攻にしました。日本語、日本文化はとても独特なので、日本語を専攻したことはとても特別な経験になりました。そして、振り返ってみると、日本語を専攻したことは正しい選択だったと思います。なぜなら、日本で勉強し、働く機会を得ることが出来たし、とても多くの素晴らしい人々と出会い、日本での生活をとても楽しんでいるからです。

ご自身のキャリアにおける夢を実現する途中で、特に困難な瞬間に直面したことはありますか?また、そのような瞬間にどのように対処していますか?

大学を卒業してから5年間は、自分のキャリアや、自分が本当にしたいことに関して、とても迷いました。5年間で、日産トレーディング、東レ、電通と3回転職しました。何に情熱を感じるのかを探すために、様々なことに挑戦することで、そういった困難な状況に対処しました。自分の安全地帯から抜け出して、全く新しい環境に飛び込む事は簡単ではありません。でも、信じて下さい、挑戦する価値はありますから。

今までの人生で、一番誇らしかった瞬間、もしくは感動的だった瞬間はいつですか?

大学3年生の時に、交換留学生として日本に留学する機会をもらった時です。交換留学時代は今までの人生の中で一番忘れる事のできない、素晴らしい1年になりました。

今までの人生で一番困難だった、もしくは絶望した瞬間はいつですか?また、そのような瞬間をどのように乗り越えましたか?

1つ目は、自分のキャリア、将来、現実と夢のギャップにかなり困惑していた時期です。当時を振り返ってみると、本当の自分が、違う自分と葛藤している様でした。とても辛く、絶望的な時期でした。自分が尊敬し、信頼できる人たちに話をして、提案やサポートをしてもらいました。また、本を読み、挑戦し続けました。

2つ目は、叔母が他界するのを病院で見届けた時です。親族の死は初めてでしたし、死を一番近くで体験したのもこの時が初めてでした。この時に、人生は本当に短く、明日何が起きるか分からない、自分の時間がいつ終わってしまうかも分からないということを感じました。そう気付いたおかげで、その後数年は何か決断をする時に、以前よりも簡単に決めることが出来るようになりました。

進み続ける原動力、モチベーションは何(誰)ですか?

未知なる将来への好奇心と、自分の夢を達成できるという信念です。

プライベートの生活はどのようなものですか?リラックスするために何をしていますか?

生け花のお稽古に行ったり、ヨガをして体を鍛えたり、エネルギーを得たりします。また、リラックスをしながら、英語上達のために映画やドラマを見たりします。昔からの友達や、新しい友達に会ったり、自然が綺麗なところに観光に行ったりもします。また、バハーイーのルヒ教材勉強サークルにも所属したり、バハーイーの活動にも参加したりしています。自分にとって大切な人や意味のあることに自分の時間を費やすようにしています。そうすることで、自分のエネルギーやパワーを無駄にせずに済むからです。


中国の広州で育った幼少期はどのようなものでしたか?

実は、私はとてもいい子でした—行儀も良かったです。両親や先生、祖父母にとっても、良い子でした。でも、今思えば、もっとやんちゃな子でいたかったです!(笑)

本当ですか?!どうしてですか?

やんちゃな子の方が、独創的だと思うからです。

“やんちゃ”の定義にもよると思いますね。例えば、意図的に他人に害を与える行動をするのと比べて、正当な理由の元に、恣意的な規則や、グループや社会、文化の境界や期待に従わなかったり。

私は、常に周りの人々からの期待に囲まれて育ちました。交換留学生として日本に1年間留学して、世界中の多くの人々と出会い、たくさんの異なる考えに触れることが出来ました。海外で生活してみて初めて、今までの自分の世界がどれほど狭く、制限されていたものだったかに気付いたのを覚えています。そして、視野が広がりました。

5年後の理想の自分、生活はどのようなものですか?

経済面、精神面ともに今より、もっと自立していたいです。芸術を教える能力や資格を持っていたいです。また、人生の新たなステージにいて、新しい場所に引っ越し、生活していたいです。できれば、生涯のパートナーと一緒にいると嬉しいです。でも、まだその彼がどこにいるかは分かりません(笑)

日本では、男女不平等が存在すると思いますか?Lizさんのような若い女性は、このような不平等にどのように対処することが出来ますか?

日本に男女不平等は存在すると思います。多くの男性は、とても頭の良い女性を好きではありません。その代わりに、“バカかわいい”女性を好む男性が多いのです。これはつまり、男性は、見た目は可愛いけれど、何も知らない女性が好きで、そういった女性を、自分たちの所有物のように崇拝する傾向があるということです。職場では、ほとんどの女性が、より役職が高く重要な地位ではなく、事務作業で男性のアシスタントをしています。このような不平等に対処するために重要なことの一つは、女性自身が、自分たちの可能性に気付き、本当の自分たちを尊敬することだと思います。もし、女性自身が自分たちを受け入れ、尊敬できなければ、男性や社会から何を期待すれば良いのでしょうか?

では、男性には何が出来るでしょうか?

女性へ尊敬と理解を示すことです。家庭生活と会社の両方で、女性に協力的になることです。

男女不平等に関しては、中国でも同じような状況ですか?

はい、中国でも似たような状況です。20代後半の女性は、就職や重要な役職に就くのに苦労しています。就職面接では、近々結婚や子どもを産む予定はあるのか聞かれます。そして、もしそのような予定があると答えたら、たとえあなたが優秀であっても、内定はもらえません。なぜなら、企業側はそういったコストを負担したくないからです。ただ、一方で、28歳を過ぎても独身だとかなりのプレッシャーを感じます。周りから、どうして結婚しないのかと聞かれ、出来るだけすぐに結婚した方が良い、そうでなければあなたの価値は、歳を取る分だけ低くなっていく、と言われ続けます。

日本の若い女性は、プライベートの生活・家庭生活と仕事で選択を迫られていると感じますか?意見を聞かせてください。また、これに対処するために何が出来る、またはどうするべきだと思いますか?

近年では、状況は改善してきていると思います。若い女性は、より自分で選択をしやすくなったと思います。ただ、プライベートの生活・家庭生活と仕事で選択を迫られる状況は未だに存在すると思います。一方で、女性の権利を主張する場面になると、ほぼ過激主義者のようになってしまう女性もいるかと思います。結果として、そういった女性たちは、男性は全く必要ないと思ってしまいます。私は、目指す所は真の平等であり、良いバランスだと思います。男性と女性は、鳥の羽のようなものだと思います。両方、大切で、不可欠なものです。

リアルミーでは、勇気づけられる引用や名言でインタビューを締めくくっています。読者の皆さんに伝えたい人生の座右の銘はありますか?

未来に向かって点を繋げることはできません。過去を振り返って初めて、点を繋げられるのです。だから、今やっていることが、将来どこかに繋がると信じて下さい。何かを信じて下さい、例えば根性、運命、人生、業、なんでも構いません。—スティーブ・ジョブズ

あなたの時間は限られています。無駄に他人の人生を生きないでください。ドグマに囚われないで下さい。それは他人の考えの結果で生きているに過ぎません。他人の雑音で、心の声がかき消されないようにしてください。そして最も重要なのは、心と直感に従う勇気を持つことです。心と直感は、あなたが本当になりたいものを分かっているものです。それ以外のことは二の次です。—スティーブ・ジョブズ

これらの名言が好きなのは、自分の経験を通して、これらの名言が本当のことだと知っているからです。他人から言われたことではなく、自分自身で証明した何かを信じなければいけません。

ご自身のような若い女性に、他に何かアドバイスはありますか?

自分自身の真の美しさを見つけ出し、それを受け入れて、心から自身を持って下さい。そして、賢い女性になって下さい。

  • Tingwen Chou

    かわいいよ