岡崎真奈美
リアルミーは今回、有名かつ腕のいい著者で、日本文化に関する本を執筆している岡崎真奈美さんにお話を伺いました。真奈美さんには今回、海外での様々な経験、大学生活、日本における男女平等に関する考えや省察、そしてごめんなさい等の価値観についてお話頂きました。

あなたにとってリアルミー、“本当のわたし”はどのような人ですか?

岡崎真奈美です。ビーチ、紅茶、犬、スキューバダイビング、幸せそうな人、そして旅行が大好きです。また、本や印刷物も大好きです。

フリーランスの作家、ジャーナリストとしてのお仕事について少し教えて頂けますか?

日本の文化についてたくさんの本を執筆してきました。一番知られているのは、サブカルチャー、写真家、ファッション、職人についての本です。今は日本における現代着物文化についての本を制作しています。

ジャーナリストとして、一番思い出に残っている経験は何でしょうか?

た くさんあります!ギリシャの無政府主義者についての話を書いたり、ガヴドス島という離島に行ったり、チャオプラヤー川をボートで下り、HIV感染者がいる 仏教寺にインタビューに行ったり、プエルト・エスコンディードのサーフィン文化を探索したり、バンコクにあるムエタイセンター合宿をしたり、パリ・コレク ションに参加してみたり、奈良の丘でドリフト走行を一緒にしてみたり、高野山でお寺巡りをしたり、ベルリンでスクーターに乗ってモダニズム建築を見に行っ たり・・・あげればきりがないですね!思い出に残っている仕事のトピックというよりは、仕事をしている中で出会う大切な人々との出会いの方が仕事を思い出 に残るものにするんだと思います。

これから発売されるご自身の本について教えて頂けますか?

現 代着物文化についての本では、デザイナーや製造者、職人、お祭り、イベントなどを特集しています。他にも、『Paper World』という私の本が、現代着物文化の本の後に発売される予定になっています。その本の中では、世界中でデザイナーや芸術家、提灯職人などによって どのように紙が賞賛されるかについて調べるつもりです。世界が信じられないほどデジタル化されているにも関わらず、デジタルではない、紙の有形の性質を高 く評価し、愛着を持つ人は増えているのです。

ジャーナリストとして、世界中を舞台に仕事をしていらっしゃいますが、特に好きな場所はありますか?

業務として海外にはたくさん行きましたが、こけし人形に関する本を書くために訪れた、東北の温泉郷が一番思い出深かったです。東北地方のみなさんはとても素晴らしい方々でしたし、東北の民話伝承、儀式、お祭り、風習はとても特有なもので、美しかったです。

雑誌の記事を書くことは楽しいのですが、本の企画の方が、いつも、より充実しています。というのも、何ヶ月も何年も一つのトピックに時間を費やすので、2週間の海外取材では得られない、そのトピックに対する愛着というものを抱く事ができるのからです。

休暇の時に行く好きな場所は、ウィーンかパラオです。

Kokeshi
『コケシ:東北から愛を込めて』東北のためのチャリティー本。


キャリアを始める上でしてしまった一番大きな間違いは何でしょうか?

間 違った人材を雇ってしまったこと、“いい人”と思っていたので素人に給料を前払いしてしまったこと、海外メディアコオーディネーターおそらく世界で最悪の仕事です)、仕事を引 き受けすぎてしまったこと・・・また挙げればきりがありません。自分のしたいことを知るのに本当に時間がかかったので、パーティーに行ったり、何もしな かったりして、若い時代を無駄にしてしまいました。

東海大学で工学学士を修了されましたが、ご自身にとって大学での経験はどのようなものでしたか?

教授はとても素晴らしい方々でした。東海大学で学べた事に感謝していますし、キャンパスはとてもきれいでした。工学は私には向いていませんでしたが、たくさんのことを学びましたし、工学の経歴があることはありがたく思います。

ニューヨークのコロンビア大学でジャーナリズムの修士を取得されましたが、どのようなものでしたか?

良 い思い出としては、ジャーナリズム大学院以外のコースも取る事ができたので、そのコースがとても楽しかったです。ロビー・バーネット教授のもとでチベット の芸術や文化を学んだり、リン·ブレスリン教授のもとで建築を学んだりしました。本当に信じられないほど素晴らしい経験でした。ロビー・バーネット教授も リン・ブレスリン教授もどちらも素晴らしい教授で、お二人のような教授のもとで学べたことをとても光栄に思います。

コロンビア大学の図書館はこの上なく素晴らしいものです。内容だけではなく、雰囲気や建築様式もです。そのような静かな空間にいるだけで、この上なく幸せでした。

嫌 な体験としては、ある教授が、クラスにいる他の日本人学生と私の区別がつかなかったように思えたことです。そのクラスには、たった13人しか学生がいませ んでしたし、一週間に6時間のゼミがあったので区別がつかないなんて驚きでした!その教授は私の論文を他の学生のものだと思って対応したり、何度も私のこ とを別の人種として呼んだり、もしくはただ“アジア系アメリカ人”(私はそうではないのですが)と呼んだりしました。もし初めて会った人なら別に気にしま せんが、毎週6時間も会っていて、6ヶ月も経つのに、このように間違えるのはとても非常識だと思いました。実際、“アメリカ系アジア人”の方がかわいそう だと思いましたし、あの教授のような人々と過ごすのはとても大変に違いないと思いました。

その一方で、アメリカには色々な経歴を持つアジア人との団結や友情がたくさんありますし、本当に素晴らしいことだと思います。

Kicks
『Kicks Japan』スニーカー業界による日本のストリート•カルチャーについての本。

日本には男女間で不平等があると思いますか?

この質問はよく聞かれますね。日本全体でみたら、あると思いますが、メディア業界ではそれほどでもないと思います。正直、ジェンダーの問題を特に意識してい るわけではないですし、自分自身を“女性のジャーナリスト”と見なしていません。ですが、私は、女性志向のサブカルチャーやファッションなどを確かに多く 取り上げています。

女性が書いた記事を男性と同じくらい、みなさんが目にすると思うので、メディア業界は、男女平等に関して、良い業界の1 つだと思います。女性にとってジャーナリストは素晴らしい仕事だと思います。ですが、ジャーナリズムやフォトジャーナリズムに魅力を感じる女性というのは とにかく、性格の強い人が多い傾向にあると思います。私が知っている女性の編集者やフォトジャーナリストはみんなとてもタフな方々で、本当に尊敬していま す。全員のことは言えませんが、私が知っている作家やジャーナリストの男性はとても成熟していて優しく、落ち着いていて、支援的な方々です。

こ の業界では、少数、もしくはチームで密接に仕事をするので、誰かと(女性か男性かに関わらず)問題があれば、いつでも一緒に働く人を変えることが出来ま す。一般的に、仕事の多い方は社交術や才能があるので、そういう人には仕事の機会もやってきますが、逆に失礼で手腕のないことで知られている人は仕事がも らえないです。この業界は、評判が大事な業界なので、忙しいか忙しくないかというのはいつも理由があります。

女の子が、自分の一番思い出に 残っている瞬間だけを投稿したり、休む間もなく働いている中で、とても魅力的な側面だけを投稿したりすることがソーシャルメディアの問題でもあると思いま す。そういった投稿によって、健全な女の子はいい刺激を受けることができますが、中にはそういう生活に嫉妬してしまう人もいます。精神的に鬱になったり、 嘘の噂を流したり、女性が女性をストーカーするなどといった問題をいくつか見てきました。私の周りの、創造力のある女性がそういうケースになってしまうの を多く見てきました。彼女達はすごく忙しいにもかかわらず、そういった問題を抱えた女性に、しょっちゅう対処しなければならないので、そういうケースが偶 然のものだと考えられないのです。

仕事を始めたばかり、もしくはこれから始める若い女性に何かアドバイスはありますか?

仕事のプロジェクトで働いている時に、助けてくれる人々に恵まれたら、その人たちを大切にして下さい!

自 分が間違っていると思ったら、謝る事の出来る人になってください。自尊心はそんなに大切なものではありません。謝らない人とは仕事をしないことです。とて も多くの問題が出てくるからです。特に、メディア業界で仕事をするなら、異なる文化で、仕事をしてミスやヘマをしてしまうのは避けられません。誰かの近く で自分の権威を確立するように努力するよりも、ごめんなさいと言えるような人になることの方がとても大切だと思います。誰かの近くで自分の権威を確立する ことは、みんなの気分を悪くするだけだと思います。それよりも、ほとんどの文化では“ごめんなさい”と“ありがとう”、そしてその裏にある気持ちを分かっ てくれます。

 その他に何か付け加えたいコメントはありますか?

“Kicks Japan”と“Kawaii, Japan’s Culture of Cute”という私の著書で、素晴らしく、才能があり、並外れた能力を持った、創造産業で働く多くの女性にインタビューをしました。そのような女性は本当 に素晴らしく、尊敬するなと思いました。彼女たちは、女性であることを賞賛して、そのエネルギーを独創的なものに向けているんです。このサイト、“リアル ミー”の成功を祈っています。そして、今回はインタビューをして頂き、ありがとうございました!

kawaii_japans_culture_of_cute