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今回のリアルミーは、現在、オーストラリア・クイーンズランド大学人文科学部(比較文化/スペイン語専攻)に在籍している矢萩稜子さんに迫ります。 留学生として海外で暮らす中で苦労した経験を含め、夢を叶えるために歩んできたこれまでのいきさつ、そして日本社会の女性の地位や、男女平等のために何ができるか等の考えも伺いました。

あなたにとっての本当の私、リアルミーはどんな人ですか?

矢萩稜子です。オーストラリアの大学の正規留学生として勉強しています(現在は交換留学生としてメキシコの大学で学んでいます)。
私は人とじっくり話をする時間も好きですが、基本的には1人で行動することが多いです。例えば旅行をする時は、団体ツアーには参加せず、迷いながら自力で目的地に行き、街を歩き、目新しい食べ物に挑戦して、地元の人と話をすることを大切にしています。知り合いがいなくても、友達がいなくて不安、ではなく、むしろ新しい出会いのチャンス!という気持ちで面白そうなことに飛び込みます。実際に、アメリカでの環境保護ボランティア、オーストラリアでの農場ボランティアやベビーシッターなど、これまで1人で様々な活動を探して体験してきました。次の休みは何をしようかと予定を考えるのが楽しみの1つです。

現在大学で学ばれていることと、そのきっかけを教えてください。

オーストラリア第3の都市、ブリスベンにあるクイーンズランド大学人文科学部で、比較文化とスペイン語を専攻しています。
オーストラリアへの大学進学を決めた理由は、多文化な環境です。私は日本の高校に通っていた時、大学で異文化コミュニケーションを専攻したいと思いましたが、ほぼ単一民族国家の日本で勉強して理解が深まるだろうか、と不安な部分もありました。ですから、オーストラリアのような移民国家で、日常的に様々なバックグラウンドをもつ人とコミュニケーションをとりながら文化を学びたいと思いました。

将来の夢は?

私の夢は、世界の文化を日本人の皆さんに伝える仕事に携わることです。
できればレポーターとして、異文化をテーマにしたテレビ番組の制作に関わりながらその夢を叶えたいと思っています。
小学生の頃からアナウンス活動が好きで、高校生になってからは、国や地域の文化の違い(特に価値観や行動の違い)を面白いと感じるようになりました。ですから、仕事としてその2つを両立できたらと考えています。

将来の目標について今のところ不安に感じていること、または曖昧ではっきりしないことは何かありますか?このような不安感にはどのように対応する傾向がありますか?

「文化を伝えるリポーター」という職業は確立されていないため、どうすればなれるのかというはっきりした道筋が見えず、自分の夢は非現実的で不安定だと感じることもあります。
また、私の専攻は決して実践的なものではないため、就職には不利なのではないかと不安になることもあります。
ですが、今の私にできることは、自分のやりたいことを大事にし続けることだと思います。私は大学での勉強も楽しんでいますし、将来何をしたいのかがはっきりしているので、同じ目標を持つ場所を見つけることができれば、やりがいを持って働くことができるのではないかと思います。

メキシコやオーストラリアなどでの海外生活経験がありますが、そのことについて教えてもらえますか?海外生活や留学がどのようにご自身の人生観や仕事観を形作ってきたと思いますか?

比較文化を専攻している私にとって、文化を学ぶという点で、留学は本当に有意義な経験になっています。文化を知るには、本を読むよりも何よりも、その地域に暮らす人と直接話をして考え方を学ぶことが一番だと思うからです。
オーストラリアでは、様々な国の人と暮らす中で、文化の違いから衝突が起こったこともありました。メキシコには、他の国とは全く異なる豊かな伝統がたくさんあります。そのような経験を通して、文化の違いを学び、そして違いを楽しめるようになったと感じています。

勉強以外には、普段どのようなことをされていますか?

現在私は、メキシコでの生活をビデオレポートの形で記録しています。メキシコの文化に関する2分程度のビデオを作り、毎週1本、ソーシャルメディアにアップします。休日は、テーマ決め、台本作り、撮影やインタビュー、そして編集などに、時間を忘れて取り組んでいます。
ストレス発散法は、とにかく書くことです。モヤモヤとした気持ちになったら、好きなことを気が済むまで日記に書き殴ります(笑)これが私のリラックス方法です!

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日本では、女性は仕事と家庭のどちらかを選ばなければならない状況にあると考えますか?

昔に比べて女性の社会進出は進んだと感じる一方で、日本で女性が仕事と家庭を両立するのはまだ難しいことだと思います。例えば、日本の会社では、女性が妊娠をした場合、責任ある仕事を任せられないという理由で退職を迫り、育児に区切りがついて再就職をする際も、正規社員として雇用されるのがとても難しいと聞いたことがあります。
会社は社員の能力を利用するだけでなく、個人の人間生活を尊重するべきだと思いますが、一方で、女性側も、子供がいたとしても責任をもって仕事に取り組む姿勢が求められると思います。

日本には男女格差があると感じますか?女性には何ができるでしょうか。

日本には、女性の役割として、男性の前に出ないことを求めるという特徴があると感じます。例えば、女性の仕事が男性のサポート役であったり、男性の発言に微笑むだけ、など、女性が男性より劣っていることを表すかのような振る舞いを求められることがあるように感じます。
このような状況を変えていくには、まず、女性自身が自主自律の精神をもつことが必要であると思います。女性の中には、「早く結婚して家庭に入り『楽』な人生を送りたい」と思っている人がいると聞いたことがあります。女性がこのような意識では、男性にどのように思われても仕方ありません。男性が感心してしまうような向上心を持つことが、日本女性の立場を変える一歩となるのではないでしょうか。

では、男性にできることは?

男性に、生活の自立という意識があるかどうかが重要になってくると思います。外で働くことが、家の中で何もしなくていいという意味ではないと個人的には思いますし、自分の生活を他人に任せっきりにするというのは立派な大人の男性としてどうなのだろうと少し感じます。
私の家は両親が共働きのため、父と母は家事を分担しています。例えば、毎朝のお弁当作りは曜日ごとに担当が決まっていたり、遅く帰宅して1人で夕食をとった場合は、自分で後片付けをする、などです。

ご自身の夢を叶えるために頑張っている中で、特に困難に直面した時はありますか?また、そのような困難な時を乗り越えるためにはどうしていますか?

オーストリアの大学で勉強をするというのは私が自分で決めたことですが、実は、本当にオーストラリアでの生活を楽しいと思えるまで、2年近くかかりました。英語力が思ったように伸びなかったり、オーストラリアの文化に上手く適応できなかったこともあり、留学したばかりの頃はよく泣き、「日本の大学に行けば良かった」と自分の選択を後悔したこともありました。
ですが、いい意味で理想ばかり追うことをやめ、自分を受け入れるようになってからは、状況が変わりました。「私は英語のネイティブスピーカーにはなれないし、それが目的ではないのだから、完璧に英語が使いこなせなくても良いじゃないか」「私は日本人なのだから、無理に外国人のように振る舞う必要はないし、自分が育った文化に胸を張ろう」そう思うと気持ちが楽になり、異文化での生活を楽しむことができるようになりました。

これまでで一番誇りに思えるもしくは励みになったのはどんなときですか?

これまで何とか突破してきた大学生活です!大学での勉強は私にとっては楽なものではなく、課題をこなすためにいつも図書館に入りびたりになり、それでも単位が取れるかどうか危うかった授業もありましたが、興味深い文化を学ぶことができますし、また学期を乗り切った後は毎回自分に自信を持つことができます。。

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励みになっていることはありますか?

世界の人々、今の場合はメキシコの人々です!私は文化について学ぶことが好きで、それが海外で暮らす理由でもあるので、面白い文化の違いを発見すると嬉しくなります。
そして、文化は人が作るものですから、人との会話が文化を学ぶ鍵となります。
ですから、今はメキシコ人の皆さんと会話をするたびに新鮮な驚きがあり、もっと知りたい、もっと学びたいという気持ちに繋がっています。

5年後の理想の自分自身と生活についてどのように想像されますか?

5年後にはレポーターとしての修業を積んでいる自分でいたいです!技術を磨く一方で、文化に対する知識も深め、十分な経験と教養が培われたら、レポーターとして世界の文化を伝える番組に携わりたいです。

座右の銘は?

‘すべては起こるべくして起こり、未来のためになる’
これまでの留学生活を振り返ってみると、楽しいことよりも苦労したことの方が多かった気がします。でも、どうにか問題が解決するたびに自分に自信がつき、「この経験ができて良かった」と思えてきたのもまた事実です。ですから、何か面白くないことが起こっても、「これはきっと後の自分のためになることだ!」と思うようにしています。

若い日本女性に向けて、何かアドバイスはありますか?

女性に限らず、自分の夢を持ち、その夢に向かって日々を生きてほしいと思います!夢のためなら、やらなければいけない勉強やそのほかちょっと億劫なことも頑張って取り組めるはずだと私は信じています:)
とはいえ、はっきりとした夢を見つけること自体、意外と難しいですよね。個人的には、夢は、何でも面白がってやってみる過程で見つかるものだと思っています。そして、何かに挑戦する時に私が大切にしているのは、1人を恐れないことです。1人でいるのは恥ずかしい、という人がいると聞いたことがありますが、私はむしろ、その人のチャンスを増やしてくれることだと思います。
1人で頑張って、他人から批判されたり笑われたりするのは怖いかもしれません。私も、大学留学をする人が周りにほとんどいなかったため「受験から逃げている」という目で見られたことがあり、悔しくてもその気持ちを共有できる人は多くはありませんでした。ですが、誰かが他人に否定的になる時は、自分の面子を潰されるのが嫌か、その人のことが羨ましいか、ということが結構多い(笑)「今にぎゃふんと言わせてやる!」という気持ちで突っ走ってしまいましょう!

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  • Tomoka

    私も海外の大学に行っていたので、とても気持ちがわかります!
    「一人を恐れない事」そして「人と違うことを恐れない事」は本当に大切。
    今の日本で男女平等を達成する一つの鍵は、女性それぞれが人と違うことを恐れず、勇気を持って自分の気持ちに素直に行動することだと思います。